PCゲーム レビュー

[Review]Holy Potatoes! A Weapon Shop?!

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タイトル: Holy Potatoes! A Weapon Shop?!
開発元: Daylight Studios
パブリッシャー: Daedalic Entertainment, Daylight Studios
リリース日: 2015年7月13日

カイ〇ソフト武器屋発展途上国

親の顔より見たシステム

基本的にもはや説明不要なくらい浸透しているアレのシステム。各職人の能力を高めていい武器を作り、その武器を売ってお金を作り、次の武器を作る準備をするルーチンワークのゲームシステム。オリジナリティなど欠片もないレベルで似たようなゲームデザインのため、プレイしなくてもなんとなく伝わるはず。

短剣ならスピードをブーストさせると価格アップ

1製作中に1回のみ、各種スタッツ (武器性能) を向上させるブーストを行うことができる。これは内部の職人だけでなく外部委託も可能で、コストはかかるが大幅なブーストができるため、売値に大きく影響する。おそらくバグだと思うが、始めてプレイしたときはチュートリアル部分がバグってた (画像1枚目参照) ので、この機能開放がされなかった。それでも厳しいバランスではなかったので、特に気にしなくても大丈夫だろう。もちろん適切にブーストをかけてアイテムを売れば容易に大金が手に入るのは言うまでもないが。

1年目や2年目くらいだとまず無理なのでイベントスキップしたい

こういうプレイを妨げる回避できない審査イベントもしっかり完備。実績やゲーム内目標に入賞の項目がないので、本当にどうでもいいやつになってしまっている。何も考えなくても6年目くらいには全制覇できる能力になってはいるのだが。オリジナル要素として数値が接戦の時には賄賂を贈って入賞させてもらうコマンドが用意されているが、何もしなくてもぶっちぎるのであまり出番はない。

†kuraudo†

会話シーンはゆるーい空気で、どこかで見たキャラのオンパレード。というよりもオリジナルキャラに乏しいくらいにそういうキャラで埋まっている。会話の選択肢も何を選んでも大差なく同じ展開になるので、取り返しのつかない要素がないのはいいことなのだが、そもそもあまり意味がないというのは少々勿体ない。

小銭(スタッフ全員の月給)

アイテムを売ることもゲームのタスクのひとつなのだが、売り込みに行く前の画面で何を求めているかをチェックできるため、そのエリア内で求められやすい武器を中心に作ることになる。ランダム性などないので、質のいいアイテムを作り、商人レベルの高いキャラで売りに行くと1回で月間のお給料分くらいを稼げてしまう。難易度としてはかなり低めに設定されており、遊びやすいと言えば遊びやすい。

ただし、売りに行ったキャラが帰ってきた時点でお金が入手という形になる以上、ギリギリでの運用はお勧めしない。アイテムゲットのための探索やコンディション向上のための休暇など、あらゆるコマンドが「プレイヤーが完了させて初めて数値に反映される」システムなのである。こういったゲームバランス含めてユーザビリティとして問題と感じられる点がちょくちょく出てくるが、詳細は後述する。

ゲームプレイのコツとしては、まず第一に職人のジョブチェンジをキッチリ行って上位職につかせることで、能力の最大値を伸ばすこと。二つ目は職人の作業台を更新できるなら即しておくこと。もちろんコストや育成時間がかかるわけだが、複数の武器製作で十分ペイできるくらいに目に見えて変わってくる。もう一つくらい挙げると、作業員は4人 (8人) 各能力に振り分ければ十分なので、限界まで雇って余った人員を研究と探索に回しておくことくらいか。

基本はしっかりと抑えていて、ちゃんと遊べる、この手のゲームとしては十分に及第点なのだが、どうしても我慢できない点がちょこちょこあると言えばある。その点のせいで良作と凡作の間を彷徨うくらいの評価になってしまっているのが残念である。

シンプルなのに面倒くさい

とにかく便利なシステムを片っ端から排除した結果みたいなゲームが出来上がっている。前項目でいくつか触れたのだが、具体例というかいい加減にしろ例をいくつか挙げる。

それ以上に謝るべきポイントがあるはず

そもそも「Weapon Shop」なのに店として構えてないのはどういうことだよ。つまり、下の万年筆マークの依頼とランダムで発生する「こういうものを作ってほしい」依頼を除くと、お金を稼ぐには「必ずアイテムを売りに職人を送る」ことが必要になる。資金以外にも名声のためには武器製作依頼をこなさなければならないので、絶対に回避できない。

その必須項目が上記の状態の時点で必ず1度プレイヤーの操作を挟まないと進行しない。右下に出ている「ヒーローのリストを入手!」の概念は必要だったのか。そして売るときにも4人いる中に順番に売りつけていくため、最高値で売りつける場合には、「残り2つの武器を欲しがっている人を後に残す」というパズルゲームのような発想が必要になる。全く欲しがっていない人に売りつけても名声は下がらないようだが、序盤であればあるほど資金が必要になるのでそうも言っていられない。

入手数が少ないので必然的に回数が増える

さらに面倒なことに、能力アップ用のエンチャントメントや研究用の素材集めとして必ず大量の回数を求められる探索も、終了すると必ずプレイヤーが左下の!!をクリックしてこの画面を出さないといけない。自動で繰り返すコマンドなどないため、時間が来るたびに毎回開いて回収して再探索、もしくは工房に戻す (続けるって書いてあるけど) コマンドを使う必要がある。ちなみに戻す場合でも元居た場所に勝手に戻してくれないので、自分でどの作業場に入れるかを選択しなければならない。配置をキャンセルすると工房に不在の「休憩モード」となるので、どっちみち再配置は必要になる。

留守番中は仕方ないので数値が低い武器でも作らせるしかない

あらゆる送り出し行為でこうなる。ここで武器を売りに行っている間に時間が余るから1度だけ探索に出そうとか思った場合を想定しよう。武器を売りに行くのに「送る・リスト入手で誰に売るか選ぶ・帰ってくる・工房のどこに配置するか選択」の操作が発生する。探索も繰り返し回数分操作が必要になるので、ふらっと行かせるというようなのは露骨に手間が増えてしまう。そのため、どうしてもやることがないときにほぼ全鍛冶師 (一人はお留守番させないといけない) を送り出して一気にやることにせざるを得ない。

名声を高めるのにアイテムを売る、目標をクリアするためにアイテムを売る、新エリアに行くために名声を高める (1項目目に繋がる)、新エリアで新しいアイテムを手に入れるため探索をする。という流れがあるために、こういう繰り返し作業をオートで出来るようにしてくれないと、この作業を面倒と思ってしまう。繰り返しが発生するゲームスタイルなのはわかっていたことだろうはずである。

CS…33-4…と突っ込む暇とかないから

こんな中途半端にどこかで見たような数字を仕込むような暇があったら、UI とゲームプレイ部分改善しとけよとしか言えない。オマージュネタやメタ発言のようなものはちゃんとしたプレイがあって初めて許される行為なのである。まあさすがに全部が自動繰り返しでワンクリックで送り出せるようにしろとか、そういう話はしないのだが、例えば探索の時にオートで繰り返す設定でスタート(止めたいときは手動)のようなやり方はできたはずだ。

なんだかんだでクリアはする

全体としてちゃんと日本語化もされているし、致命的なバグや進行不可になりそうな状況もない。資金が足りなくても救済措置が何度もあるので、操作性によって多少無駄な時間が出るもののスムーズに進めることはできる。経営ゲームとしては十分に及第点なのだが、余計なひと手間を省けなかったデザインは反省点。

ゆるい雰囲気の経営ゲームとして、積極的には勧められないものの、押さえるべき点はしっかり押さえてあるので、価格次第・バンドル入りしていたらプレイしても悪くない。実績コンプに関しては DLC 必須なので、そういうプレイヤーは留意されたし。

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