PCゲーム レビュー 日記

[Gameplay]Painkiller: Resurrection

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タイトル: Painkiller: Resurrection
開発元: Homegrown Games
パブリッシャー: THQ Nordic
シリーズ: Painkiller
リリース日: 2009年10月28日

メタスコア38の実力をしかと見よ

そのバス止まって!

主人公ウィリアム君の死にざまはこの通りとして、ストーリーラインのわかりやすさが格段にアップ。字幕のないムービーからコミックテイストに変わったのでネイティブじゃなくても理解できるぞ。仕事中ついうっかり死んでしまった彼が煉獄に落ち、天界と地獄からスカウトされて戦うことになった。

というこのゲームにあまり必要のない点は置いといて、なぜ不評なのかという点を確認しつつ、根幹部分は初代と全く変わっていない状態の中プレーを始める。

マブいゲーム

1面からブルームが酷過ぎる雑なライティングに耐え、盛り上がりの全くない戦闘音楽というダブルパンチにちょっと嫌な予感がしている。早速タロットの条件のために pain/killer のみでクリアするという修行がスタート。幸い1面は難易度も低めで、ルートもさほど複雑ではない普通のステージだった。このステージに関しては全く褒めるところがない代わりに、特に不満であることも言うほどなかった。進行ルートが分かりにくいというのは今後のアレを見るとこの段階では大したことがないのである。

縛りプレイってゲームの良さを消すよなと改めて

多様な武器を使うゲームではないが、だからといって近接メインの武器限定という縛りを用意する、しかも数少ないステージでこれを設定するのはやはりおかしな行為だと思う。サイドステップ踏みながら pain を使えば集団でもこなせるし、killer を使えば遠距離に出現する敵なら大体一撃、近くの敵でも2発ほど連打してやれば倒せる。それとこれとは話が別であるが。

飾りに見える細い線が階段のかわり

今までの作品と違ってこの作品においては、どうみてもこれは通れないだろというルートが多くなった。割と滑りやすく、足も速いこのゲームでこの細い線は登りづらい。というか特に示されていないので、本当に正規ルートなのかが分からない。とりあえずクリアできたからいいんだろうと思うが、複雑なルートで作るなら何かしらヒントを作るべきだと思った。

2面からがこのゲームの本番

大量の敵、大量のルート、乏しいバリエーション

急にマップの広さが異常なまでに広がり、全体通してプレイするのに1時間はかかるほどになった。敵も今までの数倍の600体ほど登場し、スポーンの仕方も変化している。前作まではほぼ確実にそのエリアを通るため、敵は進行ルート順にスポーンしていた。今作ではルートが複数選べるというか、ストレートにまっすぐ進むとか、脇道から回ってメインの部分を避けて行ったりなど、複数のルートを許容するようになっている。そのため、どの敵に遭うか、その敵をどう倒して回るかという部分がプレイヤーごとに異なってくる。

またあのガスだよいい加減にしろ

やってて困るのが、たぶん正規ルートなんだろうなというのはなんとなくわかるものの、屋根の上や谷底にも行ける影響で、実際にどこに向かえばいいのかという表示が不足していて本当にわからないということ。チェックポイントのペンタグラムが回復ポイントにもなっているので、できるだけ通りたいのだが、どこに現れたのかがはっきりしない。出た音はわかりやすいが、インジケータが本当にそっちを指してるのかすら疑わしいことがよくある。というか到達するまでに消えてたりすることもある。消えてしまうとますますどこに行けばいいのかがわからなくなる。間違っていても進行フラグはおそらく大丈夫だと思うが、そこで敵のトリガーが入らなかったことにより、全敵を倒すというミッションは難しくなる。わざわざ探してまでやりたい人は少数だろう。

このマップではクリアはできたものの、どういうルートで行ったのかはもう覚えていないほどよくわからん進行になった。地下を通って進むエリアではほぼ1本道で助かったが、その進んだ先で行き止まりかと思う地点に横脇にそれるように梯子があったり、本当にわかりにくい。あと石壁をロケットで破壊すると通れるようになるエリアもあったのだが、壊すという概念を特に今まで使ってこなかったくせにメインルートに入れんなって言いたくはなった。ここでかなりの時間を食ってしまった。

俺でなきゃ見逃しちゃうね

このゲームの長いステージは1時間以上かかるような広大なマップなのだが、そのマップをロードする時間が半端ではない。フリーズしたかと思うくらいに長いので、今までのエンジンでなんでこんなアホなことしてんだここの開発はと言いたくなる。ただ、この長さが全く不必要に伸びたというわけではなく、KF2 のように最初のロードだけが異様に長いパターンのようだ。ロード画面では毎回必ず決まった地点でバーがピタッと止まって不安をあおる。その代わりクイックロード等の同じマップを読む場合、ほぼ一瞬で終わるようになった。すべてにおいて長いか、最初に一点集中して長いかの違いでしかないが、この差が後々安定性という部分によって評価が左右されることになる。

「ゲームの出来」は悪くないぞ

戦闘自体は改良された点

確かにマップデザインとルートの分かりづらさはあるとはいえ、だからといってゲーム自体がクソであるかというと、個人的には全くそうは思っていない。マップがだだっ広くなってるのはマイナス点もあるが、広さを利用した戦闘をできることでもあり、戦闘回避もしても OK という設定も活かせる。前作の反省かスタジオの考え方の違いかは知らないが、割と弾は潤沢にあるので、思う存分ぶっ放してもおつりがくる。敵配置もエリアごとのスポーンになったので、嫌味な湧き方が少なくなったのに加えてある程度自分で制御できる。そのため戦闘面での overdose における不満点は割と解消されたと言っていい。

今までのシリーズ作品であまり見られなかった例として、シークレットに武器が置いてあることがあるということ。本編のように見えないところに命がけでジャンプしろといった無茶な場所にはないので、手に入れやすく戦力アップがしやすくなった。武器があるかないかは、ステージ中に今持っていない弾薬が落ちているかどうかで判断できる。普通こういうシークレット武器の弾薬は用意してないと思うのだが、見せつけるように固まって落ちているので、そういうものは有効活用させてもらうに限る。

超長い+大量のシークレットだが、Health Stealer が貰える

ステージ3もはっきり言って過剰なほどステージが長く、シークレット数も膨大。わかりにくいものもちらほらある中、タロットの目標が全てのシークレットを見つけるものだったので、マップ全体を上下左右色々な角度から攻めて探し…スポイラーを見ました。アンロックできるカードはダメージの2.5%をライフに変換するいつもの壊れカードなので、獲得できれば簡単よりなバランスがさらに簡単になってライフが上限に張り付くレベルになる。その代わりペンタグラムの回復に頼らなくてよくなるので、ダイナミックなルートを構築できるようにもなる。できるエリアなら。

オープンワールド化した影響で、そのエリアに侵入したときに敵が湧き、違うエリアに入ったり一定時間経過すると敵が消えてしまうようになった。進行ルートによって敵が大量に残ったりするケースを防止するためらしいが、正規ルートでも割と戦闘中に爆散する。先述のようにマップ内をうろちょろすることになるとこのシステムが厄介なことになる。正面に進むのがメインルートだった場合、脇道に逸れて帰ってくると、複数の敵出現エリアを通過していることになる。そうなると敵もペンタグラムも消えたエリアを探索するということになりがちである。これがレベル3と最終レベルでは割とよく起こるので、デザイン上の欠陥ということになるか。

いかにもなにかありそうな場所だが無駄な寄り道エリア

あとこのマップ、安定性が非常にあやしいらしく、マップの一部が変だったり、ロードやスクリーンショットを取る際に Fatal error! と出て落ちたりすることが多い。セーブデータの破損 (進行スクリプトの異常) なら前のデータを使えばいいのでそこは構わないのだが、前の項目で言った「初回長時間ロード」を挟むことになるのは大きなマイナスで、このゲームの評価を下げた大半がこういう安定性にあるそうだ。

ブボボモワッ

ここではスタート直後にはこういう茶色のなんかが噴出してる状態になった。クリア後も次のレベルでいきなり地面が無い状態からスタートという、もうゲーム的にクリア不可な Blackhole! なアレに。仮にこういう異常が見られたら「ゲームのローカルファイルのあたりに入っている DirectX のインストールを起動してやると元に戻る」とのこと。もしくは定番のセーブデータ内のスクリプト異常の場合もあるので、できる範囲からロードしてやり直す。できなかったらこんなクソゲー捨てていいよ。

潤沢な弾とライフは戦闘を豊かにする

レベル4のほうに話を戻そう。このエリアはレベル3と同じくらいかそれ以上に広く細長いステージ構成になっていて、弾薬やヘルスがかなり多めにあるので戦闘を楽しめる。分岐ルートはあるものの最終的に辿り着く地点は同じなので、どこからスタートしたかを覚えておけば迷うことは無いだろう。

使いまわしの雑魚ボス

中ボス格もいるが、はっきりいって単体で出てこられても大したことがない。長いエリアの中間地点のようなタイミングで出るが、それならステージ自体を分割しろやと思いたくなる。同じマップで長丁場になると、先述のエラー落ちからのロードの懸念が高まるので、あまりプレイヤーとしては好ましくない。ただ、レベル3と4 (Gloomy Mountains, Haunted City) の戦闘 BGM だけは次作でアレンジされるほど良曲で、やり直しや長いマップが気にならないほどのクオリティだった。一切音楽で滾らなかった overdose を完全に超えていると言ってしまっても大丈夫だ。

これだけの数を一撃で蹴散らす威力の新武器

次のレベル Hangar は短いエリアでアリーナ戦、倒したらまた次のウェーブという仕組みのステージ。ここで出てくる Mr.Molotov とかいう武器が強い強い。まずメイン武器の方が割と連射がきいてまっすぐ飛ぶステイクガン。もうこの時点で明らかに強いのに、セカンダリに燃料缶を発射し5秒後くらいに大爆発を起こす武器も付いている。これの威力が半端じゃなく高く、その辺の雑魚ならカス当たりでも倒せて20体くらいなら一度に飛ばせるうえに、弾薬消費は1というあり得ない燃費の良さもプラス。真面目に画面中の敵を一層するだけの威力を有しているので、この狭い部屋でのアリーナはもう負ける要素がないと言っていい。ただ、自爆ダメージも広範囲で異様に高いので、そこだけは注意と、起爆タイミングによってはスカるので、メイン武器でも削ったり足止めをしながらということになる。といっても足止めする必要もなくそれだけで倒せるのだが…。以前のステージになくてよかったと思えるほどのパワー。本編に逆輸入したら恐ろしいだろうなぁ。

ラストエリアはここにきて辛い

天津飯!技を借りるぜえ!

まずクソ眩しくて進むべきエリアとかそういう問題じゃなくなる。このエリアではもう「敵が出てくるルートを正規ルートとして見る」という憶測で動くしかなくなった。幸いその考え方が正しかったようなので、迷うことがほぼなく進むことはできた。戦闘はさっきの molotov とロケットランチャーで事足りるので面白みがなく、さっきの武器強過ぎだろいい加減にしろと言える状況になった。いい方で解釈すると戦闘が足止めにならず、楽しみにも転化してきたということでもある…かもしれない。

ステージによっては死ぬかもしれない箇所が世紀ルート

基本的に船を見かけたらその先にルートがあるという、たぶんそんな感じの進行正規ルートが組まれているんだろう。ただ、この見た目で「あっちが正解だな」と思える人が多いとは到底思えない。最初から最後までどこ行くんだゲーをやらされて、こっちでいいのかという疑心暗鬼のまま、普通のゲームより長いプレイ時間を過ごすことになる。盛り上がりにも欠けるし、ボスなんかどうでもええわという捨て鉢感も出てしまう。

悪魔の方ガン無視なのいいよね

そうこうしているうちに両陣営とのケンカが始まってこれがラスボス戦らしい。

FPS のボス戦って大体こうなるけどこれはさあ

ちなみにこのラスボス、よくここでスタックするので適当な武器で虐めて終わりでいいです。何なんこのシリーズのボス戦さあ…

というところで、長かった (ロード時間) ゲームもここで終わり、エンディングを迎えるわけだが、今回は二つの条件を満たしていない→バッドエンド。高難易度をクリアするとグッドエンド、すべてのタロットカードを集めてクリアするとトゥルーエンドとなるようだ。

そのバス止まって!(6時間ぶり2回目)

バッドだと冒頭の死ぬシーンの直前に復活することになり、またこの爆破に巻き込まれる一般市民が出てしまうため、体を張ってウィリアム君が止めに入り死ぬ、というまさに無限ループに突入してしまうところで終わる。グッドだとこの事故を阻止する余裕がある時間に生き返り、というところから始まるそうだ (同梱のムービーファイルによる)。正直2回やりたくないんでもういいです。

ゲーム部分と関係ないとこで-30点

避けられない即着攻撃とかマジクソだからこいつ

長すぎるマップデザインによるロード時間の延長、どの処理が重いのか知らないがスクリーンショットに時間がかかるのとたまに落ちることの合わせ技。読み込みに失敗したのかマップ内にオレンジの四角が見えたり、床が表示されなかったりというバグ。そもそもオープンワールドにしたことによって敵の湧きフラグ管理に起因する、敵の集団自害やペンタグラムの消失等々、やっててわかるバグは大量にある。ミスや不利益程度で済むならまだしも、再ロードを挟むのはやはりストレスでマイナス評価を下さざるを得ない。ほかにも coop 対応をめぐるウソのような誇大広告もマイナスに導いたらしい。

ただ、そういうバグ等をゲーム本体の評価に入れてしまうのは勿体ないという観点から、今回割と褒めた感じに収まっていると思う。一部の音楽もいいし、戦う楽しみも味わえるし、シークレットの武器探しなんて久しく触れてないような要素も盛り込まれている。そりゃあ不満もあるがこれなら満足できるという内容には仕上がっている。バグが無くてスムーズに進めた場合は割とちゃんとした painkiller なので、そこは評価してもいいと思う。個人的には overdose や拡張パック部分より好きかもしれない。

しかしながら、このゲーム自体に何か売りになるものがあるかというとそこは無いと言わないといけない。なので、やはり本編やっとけというところに落ち着くのであった。音楽やマップデザイン、適度なバランスにタロットカードの豊富さなどがやはり別格。妥協しないクオリティの高さが続編で出せない作品が多いが、これもその例にもれずという。

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