PCゲーム レビュー 日記

[Gameplay]Painkiller Redemption

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タイトル: Painkiller Redemption
開発元: Eggtooth Team
パブリッシャー: THQ Nordic
リリース日: 2011年2月26日

開き直ったゲーム

ドヤドヤと同じ敵が何十体と攻めてくる

短いマップに広めの小部屋、大量の弾と大量の敵というシンプルなコンセプトで、バランスを考えていない素人的なマップデザイン。お前らが敵を倒すのが楽しいとか言ったからこうしたんだぞと言われてもおかしくないような、開き直りを感じるゲーム。音楽も敵の唸り声を消し飛ばしそうな胸焼けのするスラッシュメタルなど、ゆったりした曲調なんか必要ねぇという男らしさ。

ただ、こういうものには匙加減というものが必要だとは感じる。最近たまに見かけるパン部分がほとんどない中身がほぼレーズンのレーズンパンみたいな、全体のバランスを考えてない高級パンのような歪さ。ただそれが良くないかというと好きな人もいるし、それはそれでという意見も正しいと思う。

これはこれで

戦闘狂にはお勧め

というところで、これはこれでありという意見を出しておく。overdose あたりから感じていた不満点が大体解消されている点が大きい。マップのロード時間はそれなりに早いというか、マップそのものが狭いので読み込むものがない。入り組んだ道など無く、下手すれば同じ場所の往復レベルの移動しかしないので、進行に迷うことがあまりない。弾は腐るほど落ちているので、多少の使い分けは敵によって必要なものの、ショットガンの弾すらねぇと苦労するシチュエーションはほぼない。大量の敵がほぼ常に前と後ろから湧くので心構えができ、スポーンポイントに気を付けさえすれば不意打ちされるケースが減った。とにかく最大火力をぶつけながら、ダメージを最小限にとどめるために動き回って避けるという繰り返しなので、飽きはするもののもうやりたくないとイライラすることは無くなった。

加減しろ莫迦

ただし、不満点が決してそれだけだったわけではなく、完全に解消されたわけでもない。敵の湧き方は加減を知らないし、ステージやエリアのバランスなんて全く考えられていない。主たる素材が完全使いまわしなので、死んだのかどうかわかりにくい敵や、今までの経験をもってしても御しにくい敵がわんさか湧くエリアもある。バリバリと倒すだけが全てのゲームなのだが、常にそのすべてを発揮できるわけではないことは留意しておかねばならない。

問題も多いが個性はある

BooH の武器があればもっとよかった

ステージごとにダニエルとベリアルを交互に使う形になるのだが、ダニエルステージが武器の点から難易度が高め。BooH で追加された武器2種が使えないので、初代の5種類を使って戦うことになる。この5種類がくせもので、範囲攻撃ができるものがロケットランチャーとグレネード (弾薬共有)、横の範囲も入れてもショットガンにほぼ限られる。Electrodriver の電撃は敵の一団も潰せない弾薬消費量だし、pain をのんきに回せる敵団はそう出てこない。

こうした点から、戦闘は大体ショットガンで迫りくる雑魚を少しずつ削っていくパターンと、戦場をピョンピョン飛び回って敵を固めてロケットランチャーで飛ばすパターンにほぼ固定されてしまう。というかそれ以外だと処理が間に合わない。例えばステイクガンが敵4体くらい貫通するというなら戦略の幅は出ただろうが、あのリロードスピードでは戦闘でまず使わない。ショットガン単発で潰せる程度の敵が多いというのも、ステイクガンにとって逆風。セカンダリのグレネードも直線的に撃てるロケットランチャーでいい。Electrodriver も貫通しないので、敵集団の先頭を潰すのがやっと程度だし、遠距離すぎる敵にはそもそも届かないのでクロスボウの代わりにはならない。電撃で倒して死体を近くに残し、ソウルを回収することもそこまで重要じゃないというか、敵が湧く分ソウルが出るので気にする必要がない。弾がいくらあるといっても確定で MAX になるわけではないので、残った敵を節約のために倒す用になりがち。そういうわけで実質武器は3種類となる。

ベリアルステージの難易度を下げている最大の理由

ベリアルはこうした武器を同じように持っているので、戦略的にはそれに加えてという形で優位に立てる。ステイクガンの代わりの Nuclear Gun は同じような威力に加えて連射速度が倍くらいあり、セカンダリの毒霧で足止めもできる。クロスボウは言うまでもなく強いし、使いどころが減った感はあるが安全を確保した上で放つ Head Thrower は一団を吹っ飛ばす威力がある。何よりこの Evil Eyes/Screamer が強力で、セカンダリは貫通する (重要) 最高クラスの威力を自爆ダメージなし (最重要) で撃てる。

弾があって敵が多くても、pain/killer は重要である

範囲攻撃+自爆なしを強調する理由として、このゲームでは小部屋と小部屋をつなぐ通路でも容赦なく敵が湧くことにある。しっかりとドアを閉めて閉鎖空間にしてくれるので、ロケットランチャーを撃つタイミングを逃してしまうと、敵の雪崩に飲み込まれることとなる。こういうときにどうするかという話になると、ショットガンか pain/killer の攻撃で凌ぐか、武器で足止めをして距離をとるか、自爆覚悟で範囲攻撃をぶっ放すかということになる。ベリアルだとそのリスクを最小限に減らせる武器セットなので、こういうエリアの戦闘では圧倒的に優位ということになる。insomnia においてではそこまで圧迫死というケースもないだろうが、思い切りが重要になるので、気が付いたときにはどうあがいても死ぬというケースは出てくるだろう。

いかにロケットランチャーを有効活用するかのゲーム

ただ、色々言ったわりに全体的にショットガンでもなんとかなる敵が多いことから、他の武器だともっと簡単というだけの話でもある。難しいゲームだと聞いていたが、シリーズに慣れたのか難易度が insomnia だからかは知らないがあまりキツイと感じたエリアは無かった。ただそれは全体を通してとかステージを通してという話になって、ステージの序盤は涙が出るようなシーンもたまにある。

ダニエルの使える武器の話に関連するが、使い勝手のいい武器の弾が限られているステージ開始時は、ショットガンと painkiller で凌ぐことになる。そんな状態でも構わずラッシュを仕掛けてくるので、良くて作業、悪くて圧死というパターンを引く。逆にそこを凌げると弾も豊富にあり、前作あまり見なかった全武器の弾が入った箱も多いので、火力で押すゲームが始まる。嫌味な敵配置にはあまりなっていないので、不意打ちで体力を削られたり、どうしようもない攻撃をしてくる敵もほぼいない。精々ピョンピョンロケットの最中に敵が射線に入って自爆死するのが結構あるくらいか。自分が悪いということは、言い換えれば自分が何とかできる範囲内の出来事であり、腕次第というのはよい傾向ではある。加減を知らないだけで。

ストーリーやボス戦なんて期待すんな

どこいくねーん

シリーズの常として、底の浅い話とどうしようもないボス戦。ストーリーはもう低予算すぎてイラストすら新規に描き起こされていない字だけの展開。赤背景に赤縁取りの黒文字は目が痛いので読みすらしなかった。

ラスボスは何を思ったかストレートな体力の高いだけの的で、Health Stealer を付けていれば上限貼り付きで減りすらしないボス。動きも鈍重で何をするかが見てわかる程度。さらに戦闘中後ろ向きで壁に突っ込むことが多々あるなど、この広いエリアで戦わせる固定ボスのはずなのに、エリア内での動きまでおかしいというダメダメっぷりを発揮してくれた。

あとはポイントとして音楽のクオリティがかなり向上したのが大きい。上のボスが変な動きをしているシーンでもResurrectionのかっこよかった曲のリメイクが流れるが、それほど勿体ない使い方と思わずにすむくらいの平均レベルの高さがある。ゲーム性には合ってるというだけでちょっとやかましすぎる気もしないでもないが、雰囲気を盛り上げるという点では高得点だと思う。ゲーム用音楽というよりサウンドトラックとして買ってもいいかもしれない。個人的お勧めは「C7L04 The Complex of Towers」「C7L10 Small Church」。

ロードも速くてストーリーがどうでもよくて、激しい戦闘が楽しめるというシンプルなゲーム性なので、これはこれでという需要は十分に満たしていると思う。欠点と呼ぶ要素はそもそもこのゲームを買う人には関係のない話なので、シリーズを気に入ってる人には割とありなんじゃないかと思う。個人的には本編の次、BooH よりもお勧めラインに入った。古臭くなってくるゲームにおいては、この個性というのが何よりの武器だということを改めて感じさせてくれる。初代はそのシリーズを作ったこと自体が個性なのでいいが、続編では何かしら変化球を投げないといけない中、開き直って直球だけで勝負する変わり種のようだ。

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