PCゲーム レビュー

[Review]Game Corp DX

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タイトル: Game Corp DX
開発元: Endless Loop Studios
パブリッシャー: Endless Loop Studios
リリース日: 2015年10月3日

 

ゲーム会社経営シミュレーションだと思う

だと思う、なのはそこまで経営しているという感覚も無く、難易度的にもあまりにも低いという感じなので、経営者としてこういうところに気をかけてこそうまくいくような要素があまりない。

右に表示されているI/II/Xが使えるツールのレベル、その左が担当させたい箇所、その左のゲージが経験を表す。

それはさておき中身について解説をしておくと、プレイヤーはまずワークステーションを配置して、空のステーションに人材を雇い入れることで、ゲーム開発の命令を出すことができるようになる。この際にはコーディング・見た目・音楽・脚本の4種の能力に応じて、どの開発者にどの部分を担当させるかという選択がクオリティのカギを握ってくる。社員の研修のコマンドもあり、これはどれか一つを特化させる代わりに、その専門分野において高度な開発環境を使うことができるようになる。序盤においてはごくわずかな効果しかない1ランク上の環境のために分野を絞るよりも、幅広く開発がスピーディーにできる方を選ぶ、などのプレイスタイルの選択肢が存在する。

スタジオ拡張(物理)はプレイヤーの手で行う面倒くさいシステム

社員の休息に必要な冷蔵庫・水サーバー、モチベーションを高める植物やオブジェなどの定番アイテムなどのハウジングもある。ただ社屋の幅がギリギリすぎてあまりバリエーションは期待できないし、時期によって必要なもの、そうでないものがはっきりしてしまうのがマイナス要因でもある。ただしあまり効果がない上に、こういうのがキッチリしていないと難易度が上がるというような代物でないのは、ある意味ではバランスがいい…とも言える。わかりにくいオブジェクトがいくつかあるのでまとめておくと、

  • テーブル:製作前の企画会議で使用する。規模によるが4席/10席の組み合わせで事足りるはず
  • ホワイトボード:大規模製作での完成後のブラッシュアップ用。ここでまず会議をする。
  • マスターワークステーション:ホワイトボード使用後にここで作業を行う。1つでも足りるが時間がかかる。

つまり、最終段階に入るまではワークステーションとトレーニング施設、10席分のテーブルと休憩用だけでよいとなってしまう。その土地で最大人数を雇うと次の土地に進めるシステムなので、ワークステーションを置くだけで結構ギリギリなこのゲームにおいてハウジングは無意味なものと考えていい。○○が足りないと言われたら立てればいいという程度。

ゲームの目標は全アワード総なめにすること…の前に目標が27個あり、段階を踏んで順調にステップアップしていけば達成は容易。というより本当に単なるチュートリアルなレベルの目標ばかりで、次に進むにはまあそうするしかないだろうと言ったものがほとんど。意図してやらないと難しいものは少なく、クオリティいくつ以上のものを作れというのが教育状況によって厳しいというくらいなもの。特に最後(総なめ)のひとつ前が☆10000以上のゲームを作れ、というものであり、10000を超える前に総なめにしてしまうことすらあるほど。この点もある意味では捻ったプレイやそのために面倒なことをしなくてはならない、というものでないという証なので、見方を変えると親切設計だということ。

という具合に、特に難しいことを考えず社員を雇い、ゲームを作らせ、余った社員は能力を上げるために研修を受けておく。得た利益で教育を受けた社員を使って規模の大きいゲームを作り、その利益で~というルーチンワークを取り続けられるカジュアルなバランスのゲームになっている。この点は評価点であり、同時に問題点でもある。

ゲーム発展途上国やMad Game Tycoonなどと比較してはいけない浅さ

とにかく浅いというかヌルすぎるというのがノーマル難易度・キャンペーンモードにおける問題点だろう。とにかく作っていくうちに経験値が溜まってきてしまい、資金に余裕ができると専門職を5人ずつ(20人プロジェクトの場合)教育できてしまうので、この20人がゲームを作って、後処理で改善を行って、となるとほぼ一定のクオリティを毎回満たすことになる。満たした商品は同じようにボコボコ売れる。ほかのゲームのようにブームが来ているだの、ジャンルとテーマのシナジーが効果的ですね!とかそんな複雑な要素は入っていない。

20人規模開発なら開発期間も長くコストもかかるため、本格的に運用を始めるのは最後の最後、ラストの方でのみとなる。しかし爆発的に売れるわけではないが黒字はたやすい4人プロジェクト、中盤からのメインとなる10人プロジェクトでその体制が整った場合、早く上のキャンペーン目標クリアしないかな、と日程を進めるだけのゲームになりがちである。ランダム要素もほぼなく、ミスなく仕様を理解した上でスイスイと進められるといえばメリットにも思えるが、あまりにも介入できる要素が少なく、浅いと言わざるを得ない。

この手のゲームの入門としてなら

ゲーム会社運営のゲームを初めてプレイする人向け…と言いたいが「ゲーム発展途上国が無料で配布されている」点からしてすでにどうしようもない。全実績解除とカード出しがチョロくて、その間暇つぶしに色々できると考えるとまあお買い得ではあるかもしれないが…。普通のゲーム開発系シミュレーションが難しかったから無双したいとかそういう需要には応えられるかもしれない。あとカード枚数が多くて時間がかかり、3時間ほどで全実績解除したものの、カードはまだ出し切れていなかったことを付け加えておしまいにする。

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