個人的にはこのゲームはダンジョンクローラーとか、いわゆるローグライク系統のゲームとは違って、いわゆるトレハンを行うハクスラ系だと認識している。明確なジャンル分けなどはないので、定義について議論するつもりはない。
簡単な説明からすると、元祖の Rogue (やあ戦士、運命の洞窟へようこそでお馴染み) から様々な分家 (バリアント) が派生し、この変愚蛮怒は rogue から派生した Moria (指輪物語ベースのバリアント) が大本のジャンルになっている。そこからさらに初期状態で街から始まり 100F を踏破する Angband へと派生し、ZAngband (ゼラズニィ作品の真世界アンバー)など様々な要素を取り入れつつ、初期の町からさらに広域マップなどを含めた拡張を繰り返していったバリアントが産まれ、人気を博していった。
それに色々なものを追加した結果著作権無法地帯気味にやたらめったらバリエーションが多い敵やアイテム、ユニークなシステムなどを取り入れるに至ったのが変愚蛮怒である。本当に多種多様な敵やアイテムが出てくるので、たとえ序盤で死んでやりなおしというパターンでも、あまり飽きることがないくらいバリエーションの豊富なエゴアイテム、死因も様々になる。それらの経験を活かして次の冒険ではより深く潜っていくことが十分に可能なバランス取りもされていて、完成度の高さがうかがえる。
実際にクリアまで目指してみよう
このゲームには様々な職業・種族・性格を選択してキャラメイクを行い、そのキャラで死ぬまでプレイするという形をとっている。死んだ場合は1からやり直しになるものの、そのキャラが得た敵の知識に関しては引き継がれる (同じデータをそのまま使う場合) ため、以前やられた敵の対策を練ってから1世代跨いで再挑戦ということで、乗り越えやすくなっているのだ。
という死んだ場合もオプション ( * 詐欺オプション * ) で死を回避する、いかさまのような能力を持つ性格など、根本から揺るがしてしまうようなオプションなども用意されているので、クリアしたいという願望をかなえたい場合、とりあえず深層に進んでみたい場合、アイテム集めだけに全力で邁進したいなどのプレイスタイルも発生することがある。
個人的にハクスラというイメージは、こういう死を回避してアイテムを掘って家に飾ってニヤニヤするというようなプレイも可能なせいだと思う。バランス取りなども普通の RPG に近い感じで、例えば風来のシレンなどのような「今回のプレイではいいものが出なかったから辛い」「急激に敵が強くなるまでに対策が取れなかった」というシチュエーションが存在するとしよう。この作品の場合ではいいものが出るまで同じフロアを往復したり、違うダンジョンで出やすくアイテムを落としやすい敵を狙って狩ってみたり、町にあるブラックマーケットにいい商品が並ぶまで待つなどの対策がとれる。敵が強いというのも例外を除いて徐々に強くなっていくため、ここの階層あたりまでにこれを用意しようというのが過去の思い出から継ぎ足し継ぎ足しで秘伝のたれのように膨れ上がっていくのだ。
つまり、プレイヤーの知識と経験、プレイにかける時間とどの程度稼ぐかという熱意で難所を乗り越えられるローグライクなのである。毎回違うとはいえダンジョン部分が毎回異なる、アイテム獲得が異なるというだけで、基本的には町とダンジョンを往復してレベルと装備を上げつつ、敵を倒していくハクスラ系の RPG と大差がないと思われる点がここである。一般的なローグライクというより RPG 寄りだと思えるのはご理解いただけると思う。
前置きはさておき
まずはクリアを目指すためには適当にそれなりに強いキャラを構築しなければならない。よく言われるのは修行僧やアーチャーなどのクラスだが、ここはレンジャーで攻めよう。
このレンジャー、近接攻撃はそこそこだが、射撃能力が高く、遠距離攻撃に向いている職性能があり、隠密や魔道具使用などの他の能力も高めのバランスの取れたクラスである。さらに呪文も二系統使える万能キャラと言えるだろう。これに強い種族を使えばよく見かける「ハイエルフレンジャー」の誕生である。ただしあくまで強くて万能と言っても飛びぬけているわけではないので、油断は禁物である。装備や立ち回り次第では器用貧乏に落ちる可能性も十分にある。
ゲームを開始したらまず盗賊のクエストを受諾してクリアするのが常道。このクエストではなぜかいいアイテムがよく落ちているという * 噂 * があり、純粋に報酬とレベルアップできる経験値が美味しいというのもある。松明や油壷を投げると倒しやすいのでさっくりとクリアしよう。
本当に出るから困る。試行回数が多いとはいえクエスト内の生成はどこかおかしい。それでなくても各種エゴアイテム (破邪などの特殊効果付きアイテム) が結構出るので、鑑定する前に売ってはいけない。いけない (戒め)
油断・調子に乗る・飽きが最大の敵
時と場合にもよるが、調子に乗って突っ走ったり、行けそうもないのに突っ込んだりするとすぐに死ねるので、基本的には慎重なプレイを心がけなくてはならない。ただ、人間というものは精神状態によって大きく左右されてしまうので、いいアイテムが手に入ったら振り回したくなるし、うまそうなシチュエーションがあったらアイテムを漁りに行きたくなる。すると死ぬ。
画面右下の階層表示の色がフロアの雰囲気であり、「白 (何もない) ~紫 (恐ろしい) 」でなんとなく把握できるようになっている。特に序盤ではユニークモンスターやエゴアイテムが生成されたときはオレンジから黄色くらいにはすぐに変わるので、注意しながら探索をして逃げるなり拾うなりで少ないチャンスをものにしたい。
赤までいくと基本的にはかなり危険な地帯 (↑↑の画像のような通称 vault ) が存在するか、不釣り合いなほど深い場所で出るはずのアイテムが生成されているケースが多い。そういうアイテムが1個出たくらいで難易度はあまり変わるものではないが、vault に関しては敵の生成レベルが今いるフロア+40までの可能性を持つらしいので、15階で生成されると最悪の場合ワイアームクラスのドラゴンなども生成される恐れがあるので、よほどでなければ近寄りたくない。40~50階クラスだと、耐性抜けでブレスを食らうと300とかそんなレベルになってくるので、画面に入っていないからと言って安心も出来ないのだ。
というくらいにシステムを理解し、最悪の場合を考慮して行動をしている場合でも、どうしようもないのが飽きや慣れである。最初は気を遣っていても、だんだんキーをガチャガチャやり始めるので危ない兆候。特に中盤出てくるオークやトロルの群れを見かけると大体そうやり始めてしまうたちなので、遠距離から魔力の矢などの魔法を食らってしんでしまう。そういう意味で戦力が整ってきた頃が一番危ない。24F や 38F にはランダムクエストとしてちょっと下層のユニークモンスターが待ち構えているので、その直前で対策としてアイテム集めをしたくなるので、それも追い打ちのように効いてくる。
現状進めたのは 40F 手前くらいまでで、中盤の経験が浅いのが響いているようだ。こういうのが危ないという情報は割と多いものの、それ対策で稼いでいるときに死ぬというのが定番化していて、どうしても行き詰って、みたいなことがあまりない。なので、次は一気に駆け抜ける感じでやってみようと思うくらいに。通常の状態で * 勝利 * するまでの道のりは長いようだ。