タイトル: Next Hero
開発元: LINE Games Corporation
パブリッシャー: LINE Games Corporation
リリース日: 2018年3月16日
ローグライトシューター
へー LINE もこういうゲーム出してたんだーというのが直球の感想。あまりそういうイメージは無かったというか、スマホアプリメインだと勝手に思っていた。制作もここ表記なので期待薄な感じもしつつプレイを始めたが、意外や意外ちゃんと作られていて楽しむことは出来た。出来たのだが、文句のある点が無いという訳でもないので、その辺も交えつつゲームの中身の話に移ろう。
主人公のメインキャラが「ブロンド」君。破壊された村のジジイの金くれアレ作るんだからよーというオファーに応えつつ、さらっていった自分のガールフレンド「ソフィア」さんを助けに5エリア攻略するのが目的。
死んでしまうとその時持っていた所持金と、手に入れた素材になる敵ドロップが街に送られて保管される。この金を使って村の復興をさせたり、させた施設の利用が可能になる。なのでできるだけ溜めてから死ぬか、先に進むためにショップで散財していくか、という駆け引きも生まれる。
もちろんギリギリまで使ってしまうと、その回で稼ぐことができる資金が目減りするので、そのプレイではできるだけ先のステージまでプレイする責任を求められる。ただ先に進めば金が手に入りやすいというものでもないし、店も必要なものが売っているとは限らないので、そのあたりはあまり気にしなくても構わないだろう。
こうやって町が発展していくと、酒場でランダム(?)効果のドリンクを飲んでからダンジョンに潜れたり、鍛冶屋で素材を消費してアイテムを作ってもらってから始める、ということができる。ここにきてようやく「何回も死んで次のプレイに活かす」ことができるようになってきて、ゲームが楽しくなってくる。
傭兵斡旋所では、能力に応じた値段で別のキャラを雇うことができる。雇ったキャラは初期装備が投げナイフみたいなものでなく、キャラに応じたものを所持している(画面右が初期装備)。初期武器は弾切れの心配がないので、普段と違う戦い方ができるようになる。もちろん雇用は有料なので、ブロンド君でプレイするか傭兵で遊ぶかの選択も楽しみのひとつ。特に序盤は1Gでも惜しいので、50Gで雇ったら50G稼がないと赤字じゃん!と妙な緊張感を生む。
進めていくと自宅がパワーアップし、おそらく何らかの条件を満たした時にコスチュームがアンロックされる。最初のこのバンディット服(近接攻撃がメチャ強い)は長くお世話になるだろう。ただし、1個目のこれを取るまで結構長い時間かかってしまうので、中盤の要素とみていいだろう。
序盤の幅の狭さ・敵の硬さがネック
最終的には気にならなくなる点なのだが、最初はとにかく敵が硬い。最弱のスライムですら初期状態のブロンド君の攻撃2発で20ダメージを要する。他の1Fの雑魚はその倍の4発で倒せるくらいなので、序盤は敵を倒すとかそういう楽しみよりも、マップ内をうろうろして壊せるところから金を1Gでも多く稼ぐ方向にシフトしたくなる。正直最初は真面目にクソゲーだと思ってた。何度プレイしても2面のボス程度までが限界で、先送りにして捨てプレイして発展させないとクリアできないんだろう、と思いたくなるくらいに進展が無かったのだ。
能力の上げ方、敵の行動パターン、フロアごとの対策など、プレイヤーの知識が溜まってきてテクニックも向上する。そしていろいろな服やキャラでプレイできるようになると、そのネックになる攻撃部分が大きく改善されるので、良質なアクションシューターに変化してくる。出現アイテムやボス、フィールドの雑魚敵などが全てランダムなので、どうしても無理という回も中には出るだろうが、よほどでなければどんどん先に進めるようになってくる。
攻略ポイントはアイテムの取捨選択
重要なのは敵のドロップと必要なアイテムの見極めとなる。登場するアイテムが必ずしもいい方向に働くとは限らないことと、リスクと天秤にかけて取りに行くべきかどうか。
恐らく各フロアに確定で存在する、入るときにライフをハート半分支払うアリーナのような部屋は、いくつかのアイテムのうちから一つ選んで入手する代わりに、3ウェーブ分そのフロアの敵と戦わなければならない。最序盤ではリスクを冒してでもアイテムを手に入れたいし、強くなってきたら敵も倒しやすいが、中途半端な状態だとメリットが薄い。
これ以外にも確定でありそうなものが、爆弾で壊して入るシークレット部屋、2種類のショップのいずれか、宝がひとつ置いてある部屋、そしてボス部屋である。ボスと宝の部屋があるので、1フロアで武器が一つ、何らかの宝は確実に手に入るが、手に入れるためには途中の部屋も攻略しなくてはならない。
探索を進めるという点において障壁となる2面、ここが本当に自重していないクソマップである。まず硬いのはそのままなのに無敵時間を作る亀や勢いよく突っ込んでくる魚、最悪なのが倒した後分裂するクラゲ。このクラゲはこちらが部屋に入って身構える前から動き始めてることがある。敵だけでも厄介なのにこのフロアから地面にトゲが生えている。宝箱やオブジェクトに被って見えづらいという有様で、このゲームにおける最重要アイテムが棘ダメージ回避のブーツと言っても過言ではない。もちろんこの2面の海だけでなく、今後ずっと大量の棘が生えているためだ。探索すら命がけになってくるので、通りたくない部屋もたまに出てくる。
無くてもクリアできると言ってしまえばそれまでだが、とにかく「〇〇ダメージ無効化」「ウィング」「貫通力アップ」のアイテムが手に入らない限り厳しいバランス。そのステージに入る前に手に入っていないと不便さは隠せない。攻撃に関しては相手の攻撃を避けられるなら、時間をかけて倒すことは可能なので、そこまで気にしなくてもいいレベル。ただ、貫通するようになると、実質発射物が倍、ダメージが倍と言ってもいいので、積極的に取りたい。加えて縦軸⁺1のアイテムを取ると壁を越えて攻撃もできるので、このあたりも重要。
お勧め装備を揃えた感じのプレイがこれ。長くプレイしているとどういうアイテムがあれば突破できるかというところが分かるようになってくるものだが、無くてもなんとかなることも多い。ただ、どうしても射程距離だけは伸ばしておきたい。安全地帯から一方的に撃ったりすることで、突破できるケースも多いためだ。
自分はなんとか最高難易度(HPMAX5)をクリアできたが、ボスからの攻撃のダメージが倍増の2、バーサクなんちゃらを取るとさらに倍の4まで上がるので、取ってしまうとまず無理になる。難易度を上げると敵も相応に硬くなるので、絶対に取るなとは言い切れないのだが、そこはテクニックとやる気で選ぼう。個人的にはそういうリスクは背負いたくないので、箱から出たときはスルーしていた。
ステージ数は少ないがプレイ感は良好
全体として、繰り返しプレイが多くロケーション不足が感じられるものの、難易度ごとのバランスや繰り返しプレイでもそこまでダレない出来の良さは感じられた。序盤のだるささえ乗り越えられれば、比較的良好な部分にたどり着けるが、その部分がやはりネックとなろう。大体詰まるであろう2面が陰気な感じの海の面で棘も大量にあり、快適なプレイによる繰り返しとなりにくいので、勿体ないなという感想になってしまう。ここでの調整がもっとうまくいっていたら、とっつきにくさが解消されてもっと面白く、「Next Hero」というタイトルらしくなっていただろうと思われるだけに、次につながる要素を早めにアピールして欲しかった。
アイテムクラフトもオマケ程度の扱いでしかない上に、素材が手に入るなら道中でそのアイテム確保できるよね?という重さなので、結局のところ、プレイヤーの知識とテクニックによるところが大きい。また、キャラの初期性能なども大きいので、アイテムを作ってもらうより、斡旋所で探したほうが楽という始末。
勿体ない点は数あれど、全体としてよくまとまったゲームであることは間違いないと思う。予想してなかっただけになかなかハマらされてしまった。たまにバンドルサイトで1ドル枠に入ってたりするので、安ければお勧めの一本だということは断言できる。ただし、序盤を耐えられる人という前提はつくが。