変愚蛮怒において、メカジキ教なる信仰が存在している。発祥や派生などは定かではないが、とにかく「メカジキ様の人形を手に入れると運気アップ」「メカジキ様を捕まえることでレアアイテムが出る」などが信じられている。もちろんネタの範疇を出ないのだが、運やアイテムのツモで戦況が大きく変わるゲームを遊ぶ上において、藁にもすがりたいという気持ちは誰もが持っているものだ。
実際しばらく大したものを引けずに30階前後くらいで稼ぎと進めたい気持ちのせめぎ合いになり、無理をして死ぬというプレイを繰り返していたので、雑貨屋でメカジキの人形(4つ)を売っているときにふと思いついた。
画像が残っていないのでプレイ記録から掘り返してくるが、
- 盗賊クエと物言えぬ証人クエをたいまつ投げでクリア
- ワーグクエでレベルを12まで上げる
- 噂を聞いて鉄獄に帰還して12階RQまで降りる
- オーク・破滅のクエストを受けに行く
- 20階くらいまで降りつつ城に行き、アルベリヒの息子『ハーゲン』を倒す
大体こういう流れで進めるプレイが多いが、メカジキ様を最初に買ったこのプレイでは、オークを殲滅せよクエストで★スピア『アイグロス』 (3d6) (+15,+25) [+10]を引いてしまった(レアリティ45)。これによりターン殴りダメージが240に到達し、15F程度のユニークモンスターなら撫でる程度で死ぬ。レベル30くらいで補正の高いロングボウを使った射撃より強いので、よほど殴りが怖い敵以外には近接キャラと化してしまった。
体感としては「武器はいいけど他が…」な引きをしている。この前に何十回と同じキャラで死んでいるのだが、弓のアーティファクトは数えるほどしか出ていない。ましてや固定アーティファクトなどこれが初と言っていいくらい引けなかった。
武器は途中でアイグロスから★エオウィン姫のバスタード・ソード (4d4) (+12,+16)に乗り換えた。レアリティ(希少度)が50と高いので、通常プレイでは大体拾わずに終わるくらいのレア度。細かい処理は省略するが生成するまでにくぐらなければいけないハードルがいくつかある。アイテムの生成レベル・アイテムの質を決める生成パワー・レアリティによって決まるテーブル内出現数(255/レアリティ)、が主な条件である。つまりメカジキ様の介入する余地なんてないと言ってはいけない。
大雑把に言うと「ベースアイテムがレアなほど出にくい」「アイテムが上質・高級品になる確率が高いほど出やすい」「レアリティが高いほど出にくい」当たり前の話である。★グレート・ソード『フランテング』 (4d6) (+13,+21)の場合は大元が3d6のアイテムなので適切ではないが、「生成階30階相当以上」「ベースアイテム決定時にグレート・ソードが選ばれる」「上質以上で、エゴアイテム以上であること」「ベースアイテムに応じた固定アーティファクト選択」という中で、レアリティ90(!)というごく低確率を引き当てたことになる。
体感で、ベースアイテムにもよるがレアリティ20くらいまでなら頻繁に見るような気がする。ブロード・ソードの「オルクリスト」や「グラムドリング」などが生成階20、レアリティ20だが比較的見かける部類。元々の生成アイテムが出やすければ確率ガチャをどんどん回せるというわけだ。グレートソードはレアリティが2項目あるので、深層では他の武器より出やすいとはいうものの、固定アーティファクトは他にも多数あるため、競合が多いというのもネックになって、これや「ザルクスラ(レアリティ180)」が出るのはやり込んでいてもそこまで無いと思われる。
そうそうメカジキのレア運の話だ。ホイホイと「強い方」のレアな武器が出てしまう気はする。あくまで気のせいなのだ。このアウレのウォーハンマーはレアリティが75あり、基本的にはそうそう運が良くないと出てこない。出たら最終装備ほぼ確定レベルの強武器と名指しで言ってもいいクラス。例えば上のエオウィン姫のバスタード・ソードは邪悪なモンスターにダイス分で20、補正分込みで36点の期待ダメージがあるのだが、このウォーハンマーはその数値を軽く超える57点を叩き出す。スレイが全く乗らない敵に対しても39点もあるのだ。しかも片手で使いやすい重さなので、盾を持っても攻撃の威力や命中が落ちにくい。とんでもないやつである。
生成レベル100の万色ドラゴンスケイルメイルが落ちるなど、「そんな気がする」レア運アップの効果はあるような気がする。そういう回だと思うから印象が強くなるだけで実際はそんなことは無いはずだ。ただそれまで運に恵まれていなかった場合、これのおかげでもなんでも、いいものが手に入るならそれに越したことは無いのだ。本当に何も出ない場合、オークスレイヤーのショートソードと上質ロングボウで30階くらいをうろちょろして耐性抜けブレスで死ぬ、みたいなことになるのだ。
この回は打撃が強いのでつい調子に乗ってしまい、ロイガーに「軽減できないブレス」を食らって死んだ。フォースのブレスは耐性がなく、重力のブレスは浮遊で2/3にできるがこの時は無かった。どうでもいいが某所で浮遊マニアとかいう存在を作ろうとしたのは僕である。まさか自分がこうなるとは。プレイヤーはこうして「いかに死なないか」を学習していく。そしてマンネリ化して死にやすくなってくるとメカジキ様のようなオカルトに頼り、モチベーションを高めるのであった。